2025年1月17日(金)に名護市民会館大ホールにて開催されました。
大会テーマ「ケアマネジャーの発信力で切り開き、共に創る介護の未来 ~ 地域に根差したケアが生み出す新たな価値 ~」のもと、363名の参加者が集まりました。
午前の部では
お笑いタレントで与那原町観光大使の喜舎場泉氏による記念講演が行われました。お笑い芸人として笑いを届けることが仕事のはずが、介護のストレスから自身が笑うことができなくなり、母とともに死を考えることもあったといいます。しかし、この苦しい経験を乗り越えた今、喜舎場さんは自身の仕事であるお笑いに介護の経験を取り入れ、認知症が身近な問題であることを広めるために様々な場所で講演を行っています。「認知症は隠すことでも恥ずかしいことでもない」と語り、介護と仕事の両立の難しさや、施設入所の決断など、自身の体験を包み隠さず「発信」されました。参加者からは多くの感動の声が寄せられ、介護の現場に新たな視点と活力をもたらしました。
午後からは
一般社団法人日本ケアマネジメント学会理事長の白澤政和氏による基調講演が行われました。白澤氏は居宅介護支援事業所の減少や介護支援専門員の人材不足など、ケアマネジメントが直面している危機的状況を明確に指摘しました。特に、4年間で2000か所の事業所が減少し、介護支援専門員の有効求人倍率が急上昇している点は、業界の深刻な状況を如実に表しています。この現状認識は非常に重要で、早急な対策が必要だと感じました。危機に対して対処すべきことについて
白澤氏は
①処遇改善:介護支援専門員の給与が他の医療専門職と比較して低いことを指摘し、処遇改善の必要性を訴えました。特に、介護職員との処遇改善の差が拡大している点は看過できない問題だと感じました。
②自己効力感のある(専門職としてやりがいを感じる)仕事の実現:介護支援専門員が専門性を発揮し、やりがいを感じられる環境づくりの重要性を強調しました。特に、介護保険制度を超えた支援の必要性や、ケアマネジャーが「最後の砦」となる重要性を指摘した点が印象的でした。
シンポジウムでは
白澤政和氏を座長に迎え4名のシンポジストによる活発な議論が展開されました。パッション屋良氏、山川将人氏、北島枝利子氏、志良堂幸次氏が、それぞれの専門分野から「地域に根差したケア」について具体的な事例や提言を行いました。
会場からの質疑応答も活発に行われ、参加者全員で地域ケアの重要性を共有する貴重な機会となりました。
本大会を通じて、沖縄県の介護支援専門員たちは、地域に根ざしたケアの重要性を再認識し、今後の活動に向けた新たな視点と意欲を得ることができました。ケアマネジャーの発信力を高め、地域社会全体で共に介護の未来を創り上げていく決意を新たにした、実り多い研究大会となりました。